とにかく大変だった。授乳と抱っこ以外は泣き叫んでいる。
外出した日はとくに、帰宅してから寝るまで何をしても泣き叫んでいた。
私はもともと子ども好きで、いとこや友達の子の相手をする機会も多く、自分の子と過ごす時間はどんなにか幸せだろうと想像していた。それなのに、わたしは育児ノイローゼになった。育児の大変な面を想像できていなかったのだ。
娘は敏感な性格で、知らない場所や私以外の人に対する不安が強かっただけなのだろう。しかし、子どもを泣き止ませるのは母親の役目だと思っていたので、それができない自分を責めて潰れてしまった。
悩んだ末、引きこもるよりも、外に出ることにした。娘には、外の世界は不安じゃない、知らないものを知るって面白いよと伝えて。生後6か月に入ったある日、なんと帰宅後10分で泣き止み、寝るまで機嫌も良かった。娘にとってのスパルタ作戦は成功したようだ。
1歳6か月の今。娘は朝8時には帽子と靴を手に持ち、私のかばんを斜めに下げて外出のスタンバイをしている。あの頃よりゾッとする。
(林檎ママ:1歳6か月女児)
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