高校生の息子がまだ幼かった頃、「発達障害」という概念はあまり知られていなかった。
今は広く認知されるようになり、理解が進んだという点では良かったと思うが、インターネットでの無責任な発信が原因か、悪いイメージばかりが先行しているようだ。
相手の考えが自分と違っていたり、相手に否定されたりひどい言葉で攻撃されただけで、相手のことを「アスペ」や「発達」呼ばわりする人をインターネット上ではよく見かける。ネットでは「発達障害」がただの差別用語になっている気がするのは私だけだろうか。
確かに発達障害の子どもや大人への対応に困っている人もいると思うが、そういった場合は学校の先生や職場の上司に、困っていることを根気よく伝えてほしい。相手の気持ちに気づけないのも発達障害の特徴なのだ。
私たちは「理解してほしい」と伝えつつ相手の気持ちを察することができるよう努力もしてきた。その一方で周りに気づかれないよう努力している人も多いと聞く。発達障害の人たちの思いも知ってほしいと思う。
(緑:2019.3 vol.94)