高校生になってからというもの、今までの学校生活がまるで嘘のように楽しく過ごせている。
ただ親としては、彼のちょっとドジでお人好しなところはすぐに友だちに見抜かれてしまうだろうと予測していたので、対応方法をこっそり彼に伝授しておいた。
例えば彼は入学直後から、テスト前後の提出物の代行や、昼休みの食堂への買い物などを友だちから頼まれていた。「いいよ」と助けてあげるのは彼のいいところ。でも常態化すると都合のいいパシリにされてしまう。そこで私は彼に、本来自分でやるべきことを人に頼むのであれば、それなりの報酬を支払わなくてはならない、というルールを教えた。だから息子は友人からあれこれ頼まれると、相手と交渉して互いに納得できる報酬を決めている。お金を出してまで…と思う子から頼まれることはない。
ただそれだけのことだが、息子は他人のレポートや宿題で大変な思いもせず、意外にも周囲との関係も崩さず上手くやっている。もちろん誰でもこのやり方で上手くいくわけではないが、息子の人柄に合っていたのだと思う。(緑:2019.6 vol.97)
≪vol.98 能力が高いのか低いのか…? |vol.96 大切な人とのつながり≫