1の2乗はいくつ?

10月初旬、息子の高校では2学期の中間テストがあった。

実はテスト前に「数学の二次関数がよく分からない」というので勉強を見てあげた。少し急いで詰め込んだものの、大体理解できていたので大丈夫だろうと思い、前日はあえて確認もしなかった。

ところが翌週、返されたテストの点数はなんと25点。答案用紙を見せてもらったところ、教えられたことはできているのに「なんで?」と思うようなことを間違えている。少し間を置いて、私は息子に「1の2乗っていくつ?」と尋ねた。息子は驚いて答案を覗き込み、「1の2乗は1よなぁ。そりゃ、これを間違えたらこんな点数になるわ」。

おそらく急ピッチで詰め込んだため、頭の中でうまく整理がついていなかったのだ。息子の情報処理速度が低いことをすっかり忘れていた。掛け算の九九同様、「1の2乗」なんて絶対に間違えてはならないのに…。

それでも本人がなぜ間違えたのかを理解できれば、きっと次は大丈夫だと思う。経験を通して彼が自分の性質(たち)を自覚して、社会へ出ていくまでに改善していけばよいのだ。

(緑:2018.11 vol.90)

 

≪vol.91  共感が大切なワケ |vol.89 下見はきちんとやったので≫