原因は発達障害だけではない?

 私は息子が5歳過ぎまでの間、厳しいしつけをくり返していた。その原因の一つは、息子の発達への不安。

見た目は他の子どもと何ら変わりはないが、生後6か月頃から少しずつ発達の早すぎ、遅すぎが目立ち、一人で悩んでいた。そしてもう一つの原因に、自分の過去の育てられ方があった。私の育った家庭は貧しく、両親はケンカばかりしてその度に八つ当たりもされていた。いつも私と弟達は、そんな親の顔色をうかがってばかりの毎日だった。そして叱られる時には怒鳴って叩かれ、嬉しいことや悲しいことがあっても褒められたり、抱きしめられたりしたことはなかった。
 そんな私が親になり、初めての育児…。心の底から息子をかわいいとは思わなかった。だんだんと成長するにつれて、発達の不安でイライラするようになり、息子の小さな失敗にいつも怒鳴って手を上げていた。このままではダメだと何度も思ったが、誰にも相談できなかった。
 息子のストレスは限界に達していたのだろう。園長先生からある日、息子が保育園で訳もなく暴れると聞き、愕然とした。私は息子の状況に全く気付いていなかった。暴れる原因が発達障害のせいではないのでは…?と思った先生は、私自身が幼い頃どう育てられたのか?と尋ねた。いろんな思いがこみ上げる中、私は素直に話した。辛かった。先生に、「ママも辛かったんだね。」と言われて、重苦しい気持ちが少し晴れた。そしてその日から「怒鳴らない、叩かない」と心に決め、それだけを実行した。すると1週間も経たないうちに、息子が園で暴れることはなくなった。息子の気持ちを考えると、本当に私はひどい親だった。
 あれから2年…たまに怒鳴ってしまうが、手を上げることはなくなった。過去の記憶を少し整理できて無駄にイライラしなくなり、自然と息子をかわいいと思えるようになった。私達を気にかけて下さる方も増え、発達障害の息子を抱えながらも、あの頃より穏やかに過ごしている。

(緑:小2男児の母 2010.9.17 vol.3)

 

 

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